賃貸ゴキブリは管理会社に連絡すべき?費用・責任の判断基準と伝え方

賃貸ゴキブリは管理会社に連絡すべき? 費用・責任の判断基準と伝え方 ゴキブリ
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この記事では、賃貸のゴキブリ問題における費用負担の法的な考え方、管理会社への連絡方法を紹介。

さらに、管理会社への伝え方のテンプレ、そして管理会社が動かない場合の相談先もまとめています。

賃貸でゴキブリを見つけたとき、管理会社に連絡してよいものか迷う方は少なくないかもしれません。

「クレームと思われないか」「費用を請求されないか」という不安が先に立ち、結局自分で対処しようとする方もいるでしょう。

先にお伝えすると、入居直後や建物の構造的な問題が原因のゴキブリ発生は、管理会社・貸主側の責任で対処してもらえる可能性が高いです。

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賃貸でゴキブリが出たら管理会社に連絡してよい?

賃貸物件でゴキブリが発生した場合、管理会社への連絡は「権利の行使」であり、クレームではありません

どのような場合に貸主側の責任となるのか、どのような場合は入居者の自己負担になるのかを整理しておくと、連絡の判断がしやすくなります。

管理会社・オーナー・入居者、責任の基本的な考え方

賃貸借契約における費用負担の基本は、民法601条と606条に定められています

民法601条は「賃貸人(貸主)は、賃借人に目的物を使用収益させる継続的な義務を負う」と定めており、賃貸人は入居者が物件を快適に使い続けられるよう維持する責任があります。

民法606条は「賃貸人は、賃貸物の使用収益に必要な修繕をする義務を負う(ただし、借主の責に帰すべき事由による場合を除く)」と定めており、入居者の行動に起因しない不具合への対処は原則として貸主の義務とされています。(参考:マネーフォワード クラウド契約「民法601条とは?」

これらを整理すると、ゴキブリ発生の「原因がどこにあるか」が費用負担の分かれ目になります。

原因 費用負担の考え方
建物の構造的な欠陥・老朽化 貸主・管理会社側の負担
入居前からの既存の害虫問題 貸主・管理会社側の負担
隣室・共用部からの侵入 貸主・管理会社側で対処を要請できる
入居者の不適切な食品管理・長期間の放置 入居者の自己負担になりうる
入居者が持ち込んだ段ボールなどを原因とする場合 入居者の自己負担になりうる

ただし、実際には原因の特定が難しいケースも多く、管理会社との交渉が必要になる場合もあります。

費用を貸主・管理会社が負担すべき3つのケース

以下のいずれかに当てはまる場合は、管理会社または貸主に費用負担を求める根拠があるとみられます。

ケース1:入居直後(目安として1〜2週間以内)にゴキブリが発生した

入居直後の発生は、入居前から物件内にゴキブリが生息していた可能性が高いです。入居者が原因となったとは考えにくい状況のため、貸主側の責任が問われるケースです。


ケース2:建物の配管・排水設備など構造的な欠陥が侵入経路になっている

シンク下の配管貫通部の隙間や、排水トラップが機能していない排水口は、建物の維持管理上の問題とみなされる可能性があります。

この場合、修繕・補修の義務は民法606条に基づき貸主に帰属するとみられます。


ケース3:隣室や共用部からの二次侵入が原因の場合

同じ建物内の別の住戸でゴキブリが大量発生しており、共用廊下や配管スペースを通じて侵入している場合は、建物全体の衛生管理の問題として管理会社に対応を求めることができます。(参考:CHINTAI JOURNAL「賃貸物件にゴキブリが!」

入居者が自己負担になりうる2つのケース

一方、次の2つのケースでは、入居者側の負担と判断される可能性があります。

ケース1:入居者の食品管理・生活習慣に起因する場合

生ゴミの長期放置、食品を開封したまま室内に置く、排水口の清掃を長期間していないなど、入居者の生活習慣がゴキブリの温床になっている場合は、民法606条の「借主の責に帰すべき事由」にあたる可能性があります。


ケース2:入居者が持ち込んだ段ボールや中古家電が原因と判断された場合

段ボールの波型部分にはゴキブリが卵鞘を産みつけやすく、引越し用の段ボールや通販の梱包材が持ち込み経路になるケースがあります。

入居者の行動が直接の原因と特定された場合は、自己負担での対処を求められる可能性があります

入居直後 vs 入居後しばらく経過した場合で対応が変わる

ゴキブリが発生したタイミングは、費用負担と対応方針を分けるうえでの基準になります。

入居直後と入居後しばらく経過した後では、問題の性質が異なります。

入居直後(目安:1〜2週間以内)のゴキブリ発生

入居後1〜2週間以内にゴキブリが発生した場合は、入居前から物件内に生息していた可能性が高いとみられます。

入居者には原因がないとみなされやすい状況のため、速やかに管理会社へ連絡することをおすすめします。

この際、発見日時・発生場所・発生した個体数と種類をメモしておくと、その後の交渉で役立ちます。(参考:CHINTAI JOURNAL「賃貸物件にゴキブリが!」

チャバネゴキブリは体長12〜15mmと小型で、クロゴキブリは27〜33mmと大型です。(参考:大日本除虫菊(KINCHO)「害虫大百科 ゴキブリの生態」

種類や大きさを写真に記録しておくと、業者が対応策を検討する際の参考情報になります。

チャバネゴキブリは繁殖力が高い

チャバネゴキブリは雌1匹が生涯約5回産卵し、1卵鞘で約40匹が孵化するとされています。(参考:国立環境研究所「チャバネゴキブリ」侵入生物DB

25℃の環境では約2年で6世代にわたって繁殖するとみられており、発見から対応が遅れるほど被害が拡大するリスクがあります。

入居直後の発生は、早期に管理会社経由でプロの駆除を依頼できる可能性が高い状況です。

入居後しばらく経過してから発生したゴキブリへの対処

入居後数か月以上経過してからゴキブリが発生した場合は、原因の特定が重要になります。

建物の構造的な問題(排水管の隙間、換気設備の不備など)が原因の場合は、管理会社への対処要請が認められる可能性があります。

一方、生活環境の変化(食品の管理、清掃状況など)が原因として疑われる場合は、まず自分でできる対策を実施しながら、並行して管理会社に状況を報告しておくことをおすすめします。

ゴキブリは病原菌の媒介・ゴキブリアレルゲンによる喘息・食品の汚染など、健康面への被害が報告されています。(参考:日本ペストコントロール協会「ゴキブリ駆除」

賃貸ゴキブリを管理会社に連絡するときの手順と伝え方

管理会社への連絡は、伝える内容を整理してから行うと、対応が早くなりやすいです。

感情的なクレームとして受け取られないよう、事実を淡々と伝えることが交渉を円滑にするうえで大切です。

ゴキブリ発生時に管理会社に伝える6つの情報

管理会社に連絡する際は、事前に以下の6点を整理しておくと、対応がスムーズになります。

  • 発見した日時(いつから発生しているか)
  • 発見した場所(キッチン・浴室・洗面台・玄関など)
  • 発見した個体の数とおおよその大きさ・種類
  • 発生の頻度(1回だけか、複数回続いているか)
  • 写真や動画による記録(あれば添付)
  • 入居からの経過期間(入居日を伝えるとよい)

特に「発見した日時」「発見場所」「個体数」の3点は、管理会社が状況を判断するために最低限必要な情報です。

入居直後の発生である場合は、入居日も合わせて伝えることをおすすめします。

管理会社へのメール・LINEで使えるテンプレ文例

口頭よりも文字として記録が残るメールやLINEでの連絡が、後からのトラブル防止にも役立ちます。

以下の文例を参考に、事実を簡潔にまとめて送ることをおすすめします。

項目 文例
件名
(メールの場合)
【室内害虫発生のご報告】〇〇号室 ○○(入居者氏名)
本文書き出し お世話になっております。〇〇マンション〇〇号室の○○と申します。
状況報告 〇月〇日(〇)〇時頃、キッチン付近でゴキブリ(体長約3cm程度)を1匹発見しました。〇月〇日の入居以来、同様の発生が〇回続いている状況です。
依頼内容 入居直後から発生しており、物件の構造的な問題も考えられることから、管理会社様にご対応いただけないかご相談いたします。
添付 発見時の写真を添付いたします。ご確認のほどよろしくお願いいたします。

「クレーム」ではなく「状況報告と相談」として記述することで、管理会社側も対応しやすくなる傾向があります。

連絡後は返信内容や対応経過も記録として保存しておくことをおすすめします。

管理会社が動かない場合の賃貸ゴキブリ問題の次の手

管理会社に連絡しても「入居者の問題」と一方的に判断されてしまったり、返答がなかなかこない場合もあります。

そのような場合でも、次のステップを踏むことで交渉を進めることができます。

証拠の残し方:管理会社との交渉を有利にする記録術

管理会社との交渉を有利に進めるうえで、次の記録を継続して残しておくことが交渉の後ろ盾になります。

  • ゴキブリ発見のたびに写真・動画を撮影し、日時・場所のメモとともに保存する
  • 管理会社とのやり取りはメール・LINEで記録を残す(電話の場合は通話後にその内容をメモして管理会社にメールで確認を送る)
  • 「〇月〇日に電話で連絡し、〇〇と説明を受けた」という事実を文書として残す
  • 発生頻度・発生場所の変化を時系列で記録する

記録が蓄積されることで、「入居直後から繰り返し発生している事実」や「管理会社に複数回報告した事実」を客観的に示せるようになります。

交渉が難航した場合に第三者機関へ相談する際も、この記録が重要な証拠として役立ちます。

相談できる4つの窓口

管理会社との交渉が膠着した場合は、以下の外部窓口への相談を検討することができます。

消費者ホットライン(188番) 「188」に電話すると、最寄りの消費生活センターへ案内されます

利用料は無料(通話料のみ)で、土日祝にも対応しています。(参考:消費者庁公式「消費者ホットライン」

東京都 賃貸ホットライン
(東京都在住の方)
東京都住宅政策本部が設置する賃貸ホットライン(03-5320-4958)では、賃貸に関する専門的な相談を受け付けています。

受付時間は月曜日から金曜日の9:00〜17:30です。(参考:東京都住宅政策本部「不動産相談」

宅地建物取引業協会(宅建協会)の不動産無料相談所 全国47都道府県に不動産無料相談所が設置されており、賃貸トラブルについての相談ができます。(参考:全宅連公式「都道府県宅建協会・不動産無料相談所一覧」
日本賃貸住宅管理協会(JPM) フォームによる相談受付を行っており、受付時間は平日10:00〜16:30(水曜・土日祝を除く)です。(参考:日本賃貸住宅管理協会「賃貸住宅に関する相談」

ゴキブリ駆除の費用交渉が折り合わない場合の選択肢

費用負担について管理会社と合意できない場合は、以下の選択肢を検討することができます。

少額訴訟の活用 60万円以下の金銭請求であれば、弁護士なしで手続きができる少額訴訟を利用できる可能性があります。

費用負担に関して明確な根拠(記録・証拠)がある場合に有効な手段の一つです。

ADR(裁判外紛争解決手続き) 裁判よりも手続きが簡易で、中立的な第三者が仲介する形で解決を目指す方法です。

都道府県の宅建協会や賃貸住宅管理協会が窓口を設けているケースがあります。

自己負担での駆除と費用請求の保全 緊急性が高く管理会社の対応を待てない場合は、費用の領収書や発注書を全て保存したうえで自己負担で駆除を行い、後から費用の負担を交渉する方法もあります。

ただし、管理会社の承諾なしに実施した場合は後からの費用請求が難しくなるケースもあるため、事前に管理会社への書面での報告と催告を済ませておくことをおすすめします。

業者に依頼した場合の費用の目安については、以下の記事で確認できます。

賃貸ゴキブリの自分でできる対策

管理会社との交渉を進める間も、自分でできる侵入経路の遮断や清掃を同時に進めることで被害の拡大を抑えることができます。

特に侵入経路をふさぐ物理的な対策は、薬剤に頼るだけでは得られない根本的な予防効果が期待できます。

ゴキブリの侵入経路をふさぐ:上位5カ所

バルサンの調査によれば、ゴキブリが侵入する主な経路は次の5カ所とされています。(参考:バルサン「ゴキブリの侵入経路と6つの対策方法」

侵入経路 対処方法
玄関・ドア下の隙間 ドアスイープ(隙間塞ぎゴム)を取り付ける
窓・網戸の隙間 網戸の破れ確認・隙間テープで窓枠の隙間をふさぐ
排水口・排水溝 排水トラップの水が切れていないか確認・排水口カバーを設置する
換気扇・エアコンホース 換気扇フィルターの設置・エアコンドレンホースにキャップを取り付ける
段ボールへの付着 宅配便・引越し用段ボールは室内に長期間置かない・すぐに処分する

特に排水口は見落とされやすい侵入経路で、封水(トラップの水)が蒸発している場合は下水からゴキブリが上がってくる可能性があります。

長期不在の前後や、あまり使っていない洗面台・浴室の排水口は意識的に水を流しておくことが有効です。

新築マンションの場合でも同様の侵入リスクがあります。

新築物件でゴキブリが出る原因と対策については、以下の記事でまとめています。

ゴキブリが出やすい賃貸物件の特徴

自分でできる対策を検討する際の参考として、ゴキブリが出やすい賃貸物件の条件を整理しておきます。

  • 1階または地下階(地面や外部からの侵入が容易)
  • 築年数が古く、建物の気密性が低い
  • 周辺に飲食店・コンビニ・ゴミ集積所がある
  • 共用廊下のゴミ置場の管理が不十分な物件
  • 隣接住戸との壁が薄く、配管が共有されている構造

物件の条件によっては、自分でできる侵入経路対策だけでは追いつかない場合もあります。

マンションの階数とゴキブリ発生リスクの関係については、以下の記事で詳しく解説しています。

1匹見かけた段階でも、専門業者への相談を検討することをおすすめします。

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「1匹だけで業者を呼ぶべきか」の判断基準については、以下の記事を参考にしてください。

賃貸のゴキブリ・管理会社でよくある質問

賃貸でゴキブリが発生した際に寄せられる質問と回答をまとめています。

Q. 管理会社に連絡したら費用を請求されることはある?

発生原因が入居者の生活習慣や行動にあると管理会社が判断した場合は、費用負担を求められる可能性があります。

一方、入居直後の発生や建物構造に起因する問題の場合は、貸主側の費用負担を主張できるケースが多いとみられます。

まずは発生日時・場所・経緯を記録したうえで状況報告として連絡し、費用負担の議論は実態確認後に行うのが円滑に進めるうえで得策です。

Q. 連絡はメールと電話どちらがよい?

記録が残るという点では、メールまたはLINEでの連絡が有利です。

電話連絡は迅速に状況を伝えられる反面、後からの確認ができないため、電話後にその内容をメールで改めて管理会社に送っておくことをおすすめします。

「○月○日に電話でご連絡し、〇〇との回答をいただきました」という形で書き留めておくと、後からのトラブル防止に役立ちます。

Q. 退去時の原状回復費用にゴキブリ駆除は含まれる?

国土交通省が公表している原状回復ガイドラインでは、借主の故意・過失・善管注意義務違反・通常の使用を超える使用による損耗が原状回復の対象とされています。

ゴキブリの発生自体はこの損耗には含まれないとみられており、駆除費用を退去時に請求される根拠は原則として弱いとみられます。

ただし、ゴキブリが原因となって壁や床に汚れ・臭いの付着が生じた場合は、その損耗部分の補修費用を求められるケースがあるとみられます。

Q. 隣人がゴミ屋敷の場合は管理会社が対応してくれる?

隣室の住人のゴミ屋敷状態が原因と考えられる場合は、管理会社に対応を求める根拠があります

管理会社はオーナーの代理として物件全体の衛生管理に関わる責任があるため、他の入居者の生活環境に悪影響を与える状況への対処を求めることができます。

「いつ頃から発生が増えたか」「ゴミ屋敷状態を確認した日時や写真」など、状況の客観的な記録を準備したうえで管理会社に報告することをおすすめします。

まとめ

賃貸でゴキブリが発生した場合、特に入居直後や建物の構造的な問題が疑われるケースでは、管理会社への連絡は入居者の正当な権利として認められています。

ゴキブリ駆除の費用負担は「発生原因がどこにあるか」によって変わるため、発見日時・場所・個体数を記録してから連絡することが交渉をスムーズに進めるうえで重要です。

ゴキブリ発生の状況が改善しない場合は、専門の害虫駆除業者への相談も検討してみてください。無料で現地調査・見積もりをしてもらえます。

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